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公開日:2023年11月25日

共同名義者が死亡した場合住宅ローンはどうなる?【残債が残るケースとは】

住宅ローンの共有名義者が亡くなった際、残りのローン(残債)はどうなるかと気になる方は多いでしょう。

結論として、残債は住宅ローンの形態などによって、残りのローンがなくなるのか、もしくは、残るのかどうかが変わります。

この記事ではそもそもの住宅ローンの形態から、形態ごとの注意点を紹介します。共有名義でローンを組んでいる方は、ご自身がどのパターンに当てはまるかイメージしながらご参考ください。

共有名義における住宅ローンの形態について

そもそも住宅ローンは、下記3つの形態に分かれます。

  • 連帯債務
  • 連帯保証
  • ペアローン

各種類ごとに残債が残るかどうか変わりますので、その点もふまえて紹介します。

連帯債務

連帯債務は夫婦の合計収入金額に基づき融資額を決定する契約で、夫婦のうち1人が住宅ローンの主債務者となりローンの借入を行い、もう1人が連帯債務者として該当の住宅ローンの借入を行います。

連帯債務者も主債務者と同様に、返済義務を負うことになることが特徴です。

なお通常は、主債務者のみ団体信用生命保険に加入するため、たとえば主債務者が夫名義で妻が死亡しても、住宅ローンは残り続けます。

しかしフラット35の場合は、「夫婦連生団体信用生命保険」を利用することでどちらか片方が死亡した際、主債務者か連帯債務者関係なく全額返済免除となります。

連帯保証

連帯保証も連帯債務と同様に夫婦の合計収入金額に基づき融資額を決定する契約で、1人が債務者となり、もう1人が連帯保証人となって債務者が返済できなくなった際に返済義務を負うことになります。

連帯債務と違う点は、団体信用生命保険に加入するのは債務者のみである点です。

そのため仮に連帯保証人が亡くなった場合でも返済免除とはならず、返済が滞ると抵当権より住居を失う可能性もあります。

ペアローン

ペアローンは上記2つとは違い、夫婦それぞれが住宅ローンを組む契約で、それぞれが個別に債務を負い、互いの連帯保証人となる形態です。

団体信用生命保険はそれぞれが加入しますので、片方の方が亡くなった際はその方の住宅ローンは免除されます。

ここで注意すべきなのは、あくまで亡くなった方のみの住宅ローンが全額返済免除となることです。つまり妻が亡くなった際は妻の住宅ローン分のみ免除され、夫の分は今まで通り支払いが必要となります。

住宅ローンの共同名義人が死亡した場合に残債が残るケース

住宅ローンの共同名義人が死亡した場合に残債が残るケースは、主に下記3つです。

  • 団体信用生命保険に加入していない
  • 団体信用生命保険の支払い事由に合致していない
  • 団体信用生命保険の保険契約が失効している

団体信用生命保険に加入していない

団体信用生命保険に加入していない場合、住宅ローンの返済は免除されません。

そもそも団体信用生命保険とは、住宅ローン返済中に契約者が死亡したり高度障害を患った際に、住宅ローン残高がゼロになる保険のことであり、これまで「住宅ローンの返済が免除される」と話してきたのは、すべて団体信用生命保険に加入していることが前提でした。

基本的にローンを組む際は団体信用生命保険の加入を前提とされていますが、義務ではありませんので加入していなくてもおかしくはありません。

団体信用生命保険に加入していなければ、債務者が亡くなった場合でも返済する必要があります。

団体信用生命保険の支払い事由に合致していない

たとえ団体信用生命保険に加入していても、支払い事由に合致していない場合は債務弁済はされません。下記が代表例としてあがります。

  • 保障の開始日から1年以内に自殺されたとき
  • 「申込書兼告知書」に記入日(告知日)現在および過去の健康状態などについて事実を告げなかったか、または事実と異なることを告げその団体信用生命保険加入者に係る団体信用生命保険契約が解除されたとき
  • 故意により所定の高度障害状態になられたとき
  • 保障の開始日前の傷害または疾病が原因で所定の高度障害状態になられたとき
  • 団体信用生命保険加入者について、保険金を詐取する目的で事故を招致した場合、暴力団関係者その他の反社会的勢力に該当すると認められた場合など、重大な事由があり、その団体信用生命保険加入者に係る団体信用生命保険契約が解除されたとき

一部引用:住宅金融支援機構「債務弁済される場合、債務弁済されない場合

つまり故意である可能性が高い場合では、債務弁済は行われないということです。

団体信用生命保険に加入すれば必ず弁済される、というわけではありませんので、そこは注意しておきましょう。

団体信用生命保険の保険契約が失効している

住宅ローンの支払いが遅延したり滞納している場合、団体信用生命保険の保険契約が失効していることがあります。

これは住宅ローンの中に団体信用生命保険の保険代も組み込まれているケースが多いことが背景にあり、住宅ローンの支払いが遅延するのはつまり、保険代の支払いも行っていないことにつながります。

すると団体信用生命保険の保険契約が失効してしまう、といった形です。

団体信用生命保険の保険契約は気付かぬ間に失効していることもあるため、住宅ローンの支払いが滞ったことがある場合は、現在どうなっているのか確認しておくことをおすすめします。

住宅ローンの共同名義人が死亡した際の手続き

住宅ローンの共同名義人が死亡した際は、下記の流れで対処していきましょう。

  • 団体信用生命保険に関する保険金請求手続きを行う
  • 相続人が複数なら遺産相続手続きを行う
  • 相続登記および相続税の申告を行う

団体信用生命保険に関する保険金請求手続きを行う

まずは団体信用生命保険に関する保険金請求手続きを行います。

なお団体信用生命保険に加入しているかどうか、失効してないか等は住宅ローン契約を結んだ金融機関に問い合わせることで確認可能です。

なお必要書類は死亡もしくは高度障害によって変わります。亡くなられた場合は、下記の資料が必要です。

  • 団体信用生命保険弁済届【死亡用】
  • 死亡証明書または死亡診断書

高度障害の場合は、下記の書類が必要となります。

  • 障害診断書
  • 団体信用生命保険弁済判定依頼兼弁済届【高度障害用】

必要な書類を揃え提出することで、生命保険会社が支払可否の審査を行う形です。

相続人が複数なら遺産相続手続きを行う

相続人が複数なら遺産相続手続きを行う必要があり、たとえば夫が亡くなった際、相続対象者は妻以外に子供も含まれます。

なお亡くなられた方に前妻(前夫)がいる場合は、その方の子供も相続の対象となるため、その辺りも含めて整理する必要があります。

そして複数人で相続する際は、出来る限り共有名義は継続しないことをおすすめします。というのも相続対象の子供が複数いる場合などは特に、共有関係が複雑になり後々トラブルになる可能性が増えるためです。

そのため住宅以外の遺産で遺留分を調整するなど、単独名義で所有できるように話をすすめることをおすすめします。

相続登記および相続税の申告を行う

不動産の相続人が確定したら、相続登記を行う必要があります。具体的には所有権移転登記を行い、亡くなられた方の所有権を相続人に移転します。

なお団体信用生命保険でローンを完済した場合は、抵当権の抹消申請も合わせて行っておきましょう。抵当権は自動消滅はせず、手続きを行う必要があります。不動産を売却する時には必須となるため、このタイミングで行っておくことが良いでしょう。

また相続により、相続税の申告が必要となります。相続税の算出は下記の流れで行います。

  • 課税遺産総額を算出する
  • 相続税の総額を算出する
  • 総額を実際の相続分で按分し、控除分を引く

なお法定相続分で按分したそれぞれの相続税額に下記の表を適用させ、各人の相続税額を算出する形です。

法定相続分に応ずる取得金額税率控除額
1,000万円以下10%
3,000万円以下15%50万円
5,000万円以下20%200万円
1億円以下30%700万円
2億円以下40%1,700万円
3億円以下45%2,700万円
6億円以下50%4,200万円
6億円超55%7,200万円

住宅ローンの共同名義人が死亡した際は共有名義を解消すべき

住宅ローンの共同名義人が亡くなった場合は、共有名義を解消する方向性で進めることをおすすめします。

共有名義を続けない方が良い理由

次の3点が理由です。

  • 共有者の数が段々と増える
  • 不動産を自由に売却・活用できない
  • 常にトラブルのリスクを抱えたまま過ごす

相続などが発生した際、基本的に共有者は増える構図です。そのため最初は子供など身近な人が共有者であっても、知らない人までもが共有者になることは往々としてあります。

また共有不動産である以上、売却も自由には行えません。

このように常にトラブルのリスクを抱えたまま過ごすことになるので、共有名義は解消する方向性で動きましょう。

共有名義を解消する方法

共有名義にしない方法は、下記3つです。

  • 持分をすべて取得する
  • 不動産全体を売却する
  • 共有持分を売却する

持分をすべて取得する

相続の際に、亡くなった方の持分をすべて取得できるよう遺産相続を進める方法です。

持分を全て取得する代わりに、受け取る現金は少なくなる可能性はありますが、単独名義に変更できる数少ない手段となります。

不動産全体を売却する

共有者と合意の元、不動産全体を売却する方法です。

不動産自体は失いますが、売却で得た資金をもとに新たな家を探したいという方にはおすすめの手法となります。

共有持分を売却する

単独名義にはできず、かつ共有者との関係性も良くなくトラブルが今後発生しそうな場合におすすめの方法となります。

自身の持分のみを売却することは同意も必要ないため、持分のみを売却し、共有関係を解消する方法です。

なお弊社は共有持分の取り扱いを熟知しており、共有持分のトラブル解決に注力しております。ご相談は常に承っておりますので、現在共有関係でお困りのことがありましたらぜひお気軽にご相談ください。

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まとめ

住宅ローンの共有名義者が亡くなった場合、基本的には団体信用生命保険に加入していればローンの返済は免除されます。

ただ下記を代表に、免除されないケースもあるため、各項目はチェックが必要です。

  • 保障の開始日から1年以内に自殺されたとき
  • 「申込書兼告知書」に記入日(告知日)現在および過去の健康状態などについて事実を告げなかったか、または事実と異なることを告げその団体信用生命保険加入者に係る団体信用生命保険契約が解除されたとき
  • 故意により所定の高度障害状態になられたとき
  • 保障の開始日前の傷害または疾病が原因で所定の高度障害状態になられたとき
  • 団体信用生命保険加入者について、保険金を詐取する目的で事故を招致した場合、暴力団関係者その他の反社会的勢力に該当すると認められた場合など、重大な事由があり、その団体信用生命保険加入者に係る団体信用生命保険契約が解除されたとき

また相続の際は共有関係を継続しないよう動くことも、今後のトラブル発生リスクを考えると大切ですので、その点も踏まえて今後の動向を決定しましょう。

なお弊社は共有持分の取り扱いを熟知しており、共有持分のトラブル解決に注力しております。ご相談は常に承っておりますので、現在共有関係でお困りのことがありましたらぜひお気軽にご相談ください。

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