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公開日:2024年01月09日

【雛形あり】共有持分を相続する際の遺産分割協議書の書き方・記載例

相続人同士でどのような配分にするかを記す遺産分割協議書ですが、共有名義の不動産を相続する場合もしくは相続により共有名義になる場合はどのように記載すべきでしょうか。

この記事では、遺産分割協議書の役割から、実際のひな形および記載例を紹介します。

知らないとマズイ注意点もまとめていますので、遺産分割協議書を作成する予定がある方はぜひ参考にしてください。

遺産分割協議書とは

そもそも遺産分割協議書とは、遺産分割についての話し合い(遺産分割協議)をした結果をまとめた書類です。

具体的には、相続人のうち誰が、どの遺産を、どれだけ相続するかを決めた内容を記載した書類となります。

遺産分割協議書を作成することで相続人間での合意内容の証明となるため、話し合い後のトラブルを防ぐことにつながります。

遺産分割協議書作成が必要となるケース

実は遺産分割協議書、必ず作成する必要はありません。主に下記の条件に当てはまる際に作成が必要となります。

  • 相続人が2人以上いる
  • 被相続人が遺言書を作成していない
  • 法定相続分で相続人全員で不動産を共有分割しない

そもそも遺産相続は、遺言書で一定の指定があったり、下記の法定相続分で定められています。

法定相続人順位
被相続人の配偶者常に相続人となる
被相続人の子ども(すでに子どもが亡くなっている場合は孫)第1順位
被相続人の父母(すでに父母が亡くなっている場合は祖父母)第2順位
被相続人の兄弟姉妹(すでに兄弟姉妹が亡くなっている場合は甥姪)第3順位

基本的には遺言書の内容や上記の法定相続分で相続配分を決めますが、相続人同士で任意で決めたい場合に「遺産分割協議」を実施します。

そのため下記に当てはまる場合は、遺産分割協議および遺産分割協議書の作成は必要ありません。

  • 相続人が自身のみ
  • 遺言書があり、その内容に従う
  • 法定相続分に従い遺産相続を行う

必ず遺産分割協議をおこなう必要はないので、まずは相続者同士で遺産相続をどのように実施するか話し合いをしましょう。

共有持分が絡む遺産分割協議書の書き方・記載例

相続人との話し合いの結果、遺産分割協議をおこなう必要がある場合は遺産分割協議書を作成する必要があります。

何を記載するのか、およびひな形などについて紹介します。

遺産分割協議書に記載する内容

まず遺産分割協議書に記載する内容は、主に以下です。

  • 被相続人の情報
  • 氏名・生年月日・死亡年月日・本籍地
  • 相続人全員が遺産分割協議に合意している旨
  • 誰がどの財産を取得するのか
  • 相続人の情報
  • 住所・氏名
  • 作成年月日
  • 相続人全員の署名押印

つまり誰が、どれくらいの遺産を取得するかが分かっている状態を作成する必要があります。

具体的にひな形を確認してみましょう。

遺産分割協議書のひな形(記載例)

以下は、遺産分割協議書の例です。

ーーー

遺 産 分 割 協 議 書

 令和〇〇年〇月〇日被相続人山田太郎(本籍地 〇〇県〇〇市〇〇町〇〇番地)の死亡により開始した相続における相続人全員は、被相続人の遺産について、次のとおり分割することに合意した。
 

1.相続人 山田 一郎 が取得する遺産。

所  在   〇〇市〇〇町
地  番   〇〇番〇
地  目   宅地
地  積   〇〇〇.〇〇㎡
               持分2分の1  
 
所  在   〇〇市〇〇町〇〇番地〇
家屋番号   〇〇番〇
種  類   居宅
構  造   鉄骨造陸屋根2階建
床 面 積   1階 〇〇.〇〇㎡
      2階 〇〇.〇〇㎡ 
               持分2分の1

2.相続人 山田 二郎 が取得する遺産。

所  在   〇〇市〇〇町
地  番   〇〇番〇
地  目   宅地
地  積   〇〇〇.〇〇㎡
               持分2分の1  
 
所  在   〇〇市〇〇町〇〇番地〇
家屋番号   〇〇番〇
種  類   居宅
構  造   鉄骨造陸屋根2階建
床 面 積   1階 〇〇.〇〇㎡
      2階 〇〇.〇〇㎡ 
               持分2分の1

3.相続人 山田 三郎 が取得する遺産

現金 〇〇円

上記のとおりの協議が成立したので、この協議の成立を証するために本協議書を3通作成し、各自1通を所持する。
 

令和〇〇年〇月〇日
 

住所 〇〇県〇〇市〇〇町〇番〇号
相続人 山田一郎 ㊞

住所 〇〇県〇〇市〇〇町〇番〇号
相続人 山田二郎 ㊞

住所 〇〇県〇〇市〇〇町〇番〇号
相続人 山田三郎 ㊞

ーーー

上記は配偶者が既にいない親が亡くなり、子供3人が相続する場合の遺産分割協議書となります。

法務局も記載例をまとめていますので、下記も合わせて参考にしてみてください。(PDF3ページ目に遺産分割協議書の例が記載)

»参考:法務局「Taro-17 相続(遺産分割のとき) 記載例

ちなみに、被相続人が「共有持分」を所有していた場合は、持分割合を下記のように記載しておく必要があります。

ーーー

以下の土地について、山田一郎が取得する。

不動産番号 ◯◯

所在 東京都中央区◯◯

地番 6番7

地目 宅地

地積 70.00㎡

山田太郎持分2分の1

ーーー

*山田太郎が被相続者(亡くなった方)で、山田一郎が相続者。

共有持分に関する記載の注意点

記載する持分割合については、合計が「1」になるよう注意しましょう。

なお間違えやすい点が、被相続者が共有持分を所有しているパターンです。あくまで遺産分割協議書に記載するのは「被相続者の所有財産をどう分配したか」なので、分配割合を記載しましょう。

たとえば被相続者が、不動産の共有持分1/2を所有しており、子供2人で均等に分ける場合、取得持分割合は、全体で見ると1/4ずつですが、遺産分割協議書では「親の遺産を1/2ずつ取得した」ため、相続者はそれぞれ1/2ずつ相続する旨を記載する必要があります。

なお「持分2分の1」と遺産分割協議書では記載しますが、「此持分2分の1」や「”相続者の氏名”持分2分の1」といった記載でも問題ありません。

遺産分割協議書作成に関する注意点

ここからは、遺産分割協議書作成に関する注意点を紹介します。

  • トラブル防止のため公正証書で作成する
  • かかった費用は持分割合に応じて負担する
  • 遺産分割協議のやり直しは原則できない
  • 不動産を取得したら相続登記は必須

トラブル防止のため公正証書で作成する

相続後のトラブル防止のため、公正証書で遺産分割協議書を作成することをおすすめします。

 公正証書とは、私人(個人又は会社その他の法人)からの嘱託により、公務員である公証人がその権限に基づいて作成する公文書のことです。

   公文書は、文書の成立について真正であるとの強い推定(形式的証明力)が働きます。公証人が当事者の嘱託により作成した文書には、公正の効力が生じ、反証のない限り、完全な証拠力を有しております。このように公正証書は、極めて強力な証拠力を有しております。

引用元:日本公証人連合会「公正証書

遺産分割協議書を中途半端に作成してしまうと、後に「そんなことは言ってない」といったトラブルが発生する可能性があります。

しかし公正証書は、公証役場にて保管されます。そのため共有者間で偽造や改ざんが発生しても、公証役場で原本の確認ができるためリスクを避けることにつながります。

かかった費用は持分割合に応じて負担する

たとえば共有不動産の登記費用などを司法書士に依頼した場合、一定の費用が発生します。

この時は相続者で均等に割るのではなく、持分割合に応じて分割する必要があります。2人なので半額ずつ…というやり方だと、後にお金を返して欲しいといった揉め事につながりますので、この点は把握しておくべきです。

遺産分割協議のやり直しは原則できない

遺産分割協議は、基本的にやり直しできません。

そもそも遺産分割協議で決定された内容には法的効力が発生しますので、後に内容を変えたいという事態が発生しないよう慎重に話を進める必要があります。

不動産を取得したら相続登記は必須

不動産を相続により取得したら、相続登記を行う必要があります。

なお2024年4月から登記は義務化されます。登記を行わなければ罰金等の処置もあるため、認識しておきましょう。

補足:共有名義による相続はトラブルの元

相続により共有名義となる話をしてきましたが、そもそも共有名義による不動産所有はあmり望ましくありません。

というのも不動産を共有所有すると、不動産の管理面で共有者の同意が必要となるケースが増えトラブルの種であると言えるためです。

ですので共有名義に関するメリットデメリットについても把握しておくことをおすすめします。

まとめ

遺産分割協議書についてですが、前提として必ず作成する必要はありません。主に下記の条件に当てはまる際に作成が必要となります。

  • 相続人が2人以上いる
  • 被相続人が遺言書を作成していない
  • 法定相続分で相続人全員で不動産を共有分割しない

そして作成する際は、下記の内容を参考に記載して問題ありません。

  • 被相続人の情報
  • 氏名・生年月日・死亡年月日・本籍地
  • 相続人全員が遺産分割協議に合意している旨
  • 誰がどの財産を取得するのか
  • 相続人の情報
  • 住所・氏名
  • 作成年月日
  • 相続人全員の署名押印

ポイントは誰が、どれくらいの遺産を取得するかが分かっている状態を作成することです。

なお共有名義で不動産を所有することはトラブルの種とも業界では言われておりますので、まだ相続が済んでいない方は一度、共有名義に関するメリット・デメリットも確認することをおすすめします。