2026.03.10
行方知らずの共有者がいる場合の共有不動産問題の解決方法

こんにちは、はればれ商店の金本です。当ページをご覧いただき、ありがとうございます。
共有者の一人が行方不明で、不動産を売ることも活用することもできない。こういうケースは意外と少なくありません。今回は、行方知らずの共有者がいる場合にどんな解決方法があるのか、順を追ってご説明したいと思います。
まずは、行方知らずの共有者を探す
「連絡がつかない」といっても、実際には引っ越しただけで住所が追えるケースもあります。まずは行方不明のレベルを正確に把握するところが出発点です。
固定資産税の支払いを理由に戸籍を取得することができますので、その戸籍をもとに郵便や訪問などでアプローチをしていきます。
それでも見つからない場合は、裁判所への届出を前提として、共有者を探した経緯や記録を報告書にまとめます。 この報告書を裁判所に提出した後、厳格な書面審査と公告の手続きを経て進むことになります。
ここで大事なのは、単に「見つかりませんでした」では通らないということです。裁判所が「これだけ探してもダメなら仕方ない」と判断できる客観的なステップが求められます。
裁判所に「所在等不明」と認定されると、ようやく次のステップに進むことができます。

相続開始から10年以上経過している場合
この場合、裁判所の許可があれば、行方不明の共有者を手続きから外して話を進められる制度があります。
具体的には「所在等不明共有者持分取得制度」または「所在等不明共有者持分譲渡制度」を利用します。 いずれも2023年4月1日に施行された比較的新しい制度で、いわゆる「行方知らずの人の土地問題」を解決するために導入されたものです。同時期に相続登記の義務化(不動産登記法改正)や相続土地国庫帰属法も制定されています。
以前の法律では、共有者の中に一人でも行方不明者がいると、その土地を売却したり、一人で所有権をまとめたりすることが非常に困難でした。 この制度ができたことで、裁判所の許可(と供託金)があれば、行方知らずの共有者を手続きから除外して話を進められるようになりました。
私自身、この制度が導入されたときは画期的だと感じました。 それまで「一生解決しない」と諦められていた土地の塩漬け状態を、裁判所の力で解消できるようになったわけですから。
ただし「相続開始から10年」という期間制限(民法262条の2第3項など)がある点には注意が必要です。相続が発生してすぐの段階では、所在不明であってもまずは遺産分割協議で解決すべきであり、安易にこの制度を使って他の相続人の権利を奪うべきではない、という配慮から設けられた要件です。
では、相続開始から10年未満の場合はどうすればよいか。 手続きは煩雑になりますが、解決の道は残されています。
相続開始から10年未満の場合
この場合は、行方不明者の「代理人」を裁判所に立ててもらうか、裁判で共有状態そのものを解消する方法があります。
前述の持分取得・譲渡制度は利用できませんが、「不在者財産管理人制度」と「共有持分分割訴訟」という2つの手段が使えます。
不在者財産管理人制度は、行方不明者に代わってその人の財産を管理・処分する「身代わり」を裁判所に選んでもらう制度です。 弁護士などの専門家が管理人に選ばれ、不明者の代わりに遺産分割協議や売却の話し合いに参加してくれます。 ただし、予納金として数十万円のコストがかかること、管理人の選任に時間を要することは念頭に置いておく必要があります。
共有持分分割訴訟は、裁判所に「この共有状態を解消してください」と訴えを起こす手続きです。 相手が行方不明でも、「公示送達(こうじそうたつ)」という仕組みを使って裁判を進めることができます。不明者の同意がなくても、裁判所の判決で強制的に共有関係を解消できるのが大きなメリットです。 一方、弁護士費用がかかるほか、裁判手続きのため1年以上の期間を要することもあります。

制度を利用する前に確認しておくこと
いずれの方法をとるにしても、前提として確認しておくべきことがあります。
- 相続登記が未了の場合は、まず相続登記を行い、共有者を確定させる
- 公正証書遺言が残っていないかどうかのチェック
細かな点ではありますが、一つひとつ課題をクリアしていくことで、共有不動産の問題は解決できます。
ここまでお読みいただいて、「うちのケースはどれに当てはまるんだろう」と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。正直なところ、ケースによって最適な方法は異なります。まずはお電話でお聞かせいただければ、方向性を整理するお手伝いができると思います。
「時間も労力もかけられない」という場合は
ここまでご紹介した方法には、いずれも時間と費用がかかります。「そこまでの手間はかけられない、早く解決したい」という場合は、ご自身の共有持分を売却するという選択肢もあります。
当社では共有持分の買取を通じて、皆さまの重荷をおろすお手伝いをしています。 買取だけでなく、各専門家のご紹介や、最適な解決方法のご相談にも幅広く対応させていただいています。
お電話でのご相談だけでももちろん結構です。お話しいただくことで頭が整理されて、解決への一歩になるはずです。
思い立ったが吉日、ご遠慮なくいつでもご相談くださいませ。
